使用用途
USE

医療、産業分野に欠かせない
「酸素」と「ヘリウム」

生物は”呼吸”による生命維持を基本にしているだけに、酸素をはじめメディカル分野でのガス利用は極めて大切なものです。
直接吸引だけでなく、病気の予防と治療に威力を発揮するハイテク医療機器の中でもガスが大活躍しています。

生命の源、燃焼と化学反応の主役

病気治療に大きく貢献しているのが酸素。

吸入用酸素から麻酔手術、高圧酸素療法まで・・・。今や現代医療は酸素なしでは成り立たないといってもよいほどです。このように、安全で的確なデリバリ-
が最も必要とされる分野で、滋賀カ-バイドの「信頼」が生きています。もちろん、産業分野でも酸素の酸化・燃焼作用が大活躍。

鉄鋼業の転炉、アセチレンバ-ナ-、半導体基板への酸化膜生成、化学産業の酸化工程、さらには下水処理や生きた魚の輸送と家庭生活にも直結しているのです。

安定度、超低温が魅力の希少ガス

-268.9℃で液化するガスで、地球上で絶対零度(-273℃)に最も近い物質です。
しかも、化学的安定度が極めて高く、安心して利用できます。

この超低温と安定性が”ハイテクの魔術”を可能にしてくれました。
例えば、体内組織を”輪切り”で調べられるコンピュータ断層撮影装置(MRI)。
X線を使わないので被験者の健康の心配もなく、ガンやさまざまな病気の早期発見に威力を発揮しています。

また、近い将来実現が予想されるリニアモーターカーも、ヘリウムの超低温を使った超電導技術によるものです。ヘリウムは無限の可能性を秘めたガスとして今最も注目されており、将来はガスの”主役”になるかもしれません。

身近な暮らしを支えている「LPG」

実は気づいていないだけで私たちの身の回りでガスは大活躍しています。「燃焼用ガス」だけではありません。
最近ではエアコン、冷蔵庫など、ガスヒ-トポンプを動かす「ガスエンジン」として盛んに利用されているのです。

未来のエネルギ-へ

地球温暖化が叫ばれる中、世界でCO2削減について活発な動きがでています。

水素は今後の未来の生活を担うガスとも言われており、燃料電池、水素自動車等クリ-ンエネルギ-として注目されています。

エアコン、冷蔵庫などでエネルギ-分散に寄与も

電気エアコンとガスエアコンの違いは、ヒ-トポンプサイクルを循環させる コンプレッサを電気で動かすかガスエンジンで動かすかの違いにすぎません。
だから、ガスでも効率的な冷暖房が可能なのです。

ガスのエアコンや冷蔵庫を利用すれば、夏の電力需要ピ-ク時などのエネルギ-分散に寄与することにもなり、社会的意義の大きい利用法だといえましょう。
その現実に滋賀カ-バイドのきめ細かなデリバリ-網が役立っています。

20世紀、ガスは産業分野の基幹原料へ

20世紀初頭、あるフランス人技術者が「地球の空気を資源として利用できないか」と着目、
初めて液体空気を製造して以来、工業用ガスはあらゆる産業分野で利用されるようになりました。
20世紀はガスの世紀だったともいえるでしょう。

その結果、今では空気に含まれる気体のほぼ99%の成分が産業の最前線で活発に利用されています。
工業用ガスは現代社会を支える基幹原料として不動のものとなりました。

滋賀カーバイドが供給する多種類のガスもさまざまな産業分野の生産を支えています。
特に窒素、アルゴン、二酸化炭素は、「不活性」「低温」「生命活動のコントロール」などの機能でよく用いられ、
工業用ガスの”主役”の役割を果たしています。滋賀カーバイドはそれらを高純度で精製、安定供給することに努めています。

不活性と低温特性を利用

地球上で最も大量に存在するのが窒素。かつては化学肥料の原料として活躍しましたが、今では他の物質と化学反応を起こしにくいという「不活性」な性質が主に活用されています。金属を熱処理するときやセラミックスを高純度で焼結するときなどに、周りを窒素ガスで包んで処理、不要な酸化や化学反応を防ぐのがそれです。こうした「ある特性によって包み込むような利用」を”雰囲気ガス”としての利用と呼んでいます。不活性特性は、薬品や食品のシールガスにも利用されています。高級茶、かまぼこ、うどん、ナッツ類・・・身の周りの数多くの商品に窒素が使われているのです。さらに、液体窒素の低温(-195.8℃)を利用して、食品の品質を保ったまま急速冷凍するのも窒素の役割。
冷凍食品が暮らしの中で大きな位置を占める時代だけに、窒素は食生活をも支えていると言えるでしょう。

完全不活性で雰囲気ガスのエース

窒素以上に不活性特性が高いのがアルゴン。空気中から分離しやすく、高温、高圧でも完全な不活性特性を発揮します。照明機器の封入剤にも使われ、フィラメントを守るだけでなく明るさまでアップさせています。
野球をナイターで楽しめるのはアルゴンのお陰です。球場のカクテル光線のライトにアルゴンが使われているからです。

このほか、アルミやステンレスの溶接時や集積回路製造時の”雰囲気ガス”としても盛んに利用されています。

工業利用からバイオ・コントロールまで

コーラやサイダーなどの炭酸飲料、アイスクリームを買ったとき付いてくるドライアイス、家庭に常備された消火器・・・炭酸ガスは私たちに大変なじみの深いガスです。
実際、用途範囲は極めて広く、溶接、鋳造、冷却用などの産業利用からバイオテクノロジーでの利用にまで及んでいます。
産業現場では、鉄の溶接時にアークの中に酸素と遮断する膜を作る”雰囲気ガス”としての利用や液化炭酸ガスによる冷凍、冷却が中心。
バイオ関連では、炭酸ガスの生命現象コントロール機能が役立っています。植物は炭酸ガスを吸収して光合成を行い酸素を出します。
炭酸ガスを増やすと光合成が促進されるため、植物の成長を炭酸ガスでコントロールできます。例えば、大きなイベントがあって一時に大量のバラの花が必要なときなどに、ビニールハウスに炭酸ガスを送り込んでたくさんのバラを一晩で咲かせる、といった利用法があります。